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リスク管理戦略

リスクリワード比と期待値: 2つの数字はどう結びつくのか

リスクリワード比が教えてくれるのは、損益分岐点に必要な勝率だけです。比率ごとの損益分岐勝率の表と期待値の計算、ストップやターゲットを動かすと到達確率がどう変わるか、計画した比率と実際の比率がずれる理由、そして「最低1:3」がなぜ法則ではなく経験則にすぎないのかを、シミュレーターでの練習方法とあわせて解説します。

Stockade Team··1 分で読了
このページの内容

新米トレーダーが最初に出会うルールの1つが、「リスクリワードが最低でも1:3ある取引だけを取れ」というものです。そこであなたは仮に$40の株を買い、ストップを$39、ターゲットを$43に置きます。責任ある行動をしている気がします。$3を得るために$1をリスクにしているのですから。反論のしようがなさそうです。

問題は、この比率が、その取引が良いものかどうかを何も教えてくれていないことです。比率だけでは、それはできないのです。リスクリワード比は計算の半分にすぎず、残りの半分は多くの人が飛ばしてしまう部分、つまり、ストップより先にターゲットに実際に到達する頻度です。

リスクリワード比が測るもの、測らないもの

この比率は2つの距離を比べたものです。リスクはエントリーからストップを引いたもので、$40 − $39 = 1株あたり$1。リワードはターゲットからエントリーを引いたもので、$43 − $40 = 1株あたり$3。リワードをリスクで割ると3になり、人によって1:3とも3:1とも書きます。この記事ではリスクを先にして1:3と書き、リワードをリスクの単位で測ります。この取引のリワードは3Rで、1Rは失う可能性のある金額です。Rマルチプルが初めてなら、ポジションサイジングの解説で説明しています。

比率に含まれていないのは確率です。10回に1回しかターゲットに届かない1:3の取引は、悪い取引です。10回に6回ターゲットに届く1:1の取引は、良い取引です。今持っているのがどちらの種類なのかは、比率からはわかりません。比率はあなたが選んだ価格についての記述であって、マーケットがどう動きそうかについての記述ではないからです。

すべてのリスクリワード比に対応する損益分岐勝率

とはいえ、比率が教えてくれる有用なことが1つあります。多くの取引を重ねると、勝つたびに3Rを得て、負けるたびに1Rを失います。この2つが打ち消し合うところが損益分岐点です。勝率をwとすると、w × 3 = (1 − w) × 1 となり、これを解くと w = 1 ÷ 4、つまり25%です。リワードがリスクのR単位分である場合の一般形は次のとおりです:

損益分岐勝率 = 1 ÷ (1 + R)

これはパフォーマンス指標の解説がペイオフレシオに使っているのと同じ式を、取引の後ではなく前に当てはめたものです。よく使われる比率について計算すると、次のようになります:

リスクリワード $1のリスクあたりの利益 損益分岐勝率
1:0.5 $0.50 66.7%
1:1 $1.00 50.0%
1:1.5 $1.50 40.0%
1:2 $2.00 33.3%
1:3 $3.00 25.0%
1:4 $4.00 20.0%
1:5 $5.00 16.7%

これは値札として読んでください。1:3を選んでもお金が儲かるわけではありません。ハードルが25%に設定されるだけです。それより頻繁に勝てば戦略は平均してお金を生み、それより少なければ損をします。ハードルを越えられるかどうかは、比率ではなくセットアップ次第です。

実際の勝率と損益分岐勝率の差が、あなたのエッジです。Rで表すと、期待値は 勝率 × R − 負け率 × 1 です。1:3の取引で勝率30%なら、0.30 × 3 − 0.70 = 1取引あたり+0.20R。同じ30%でも1:2の取引なら、0.30 × 2 − 0.70 = −0.10R。同じ的中率で、結果は正反対です。

ターゲットを動かすと、変わるのはリワードだけではなく確率も

ここが、1:3の習慣が人を惑わすところです。ターゲットを遠くに押しやると、リワードが上がるだけではありません。そこに到達する確率も下がります。この2つの効果は互いに逆方向に働きますが、最初の方だけを見てしまいがちです。

極端なケースを考えてみましょう。価格がどちらの方向にも傾向を持たず、小さな値動きの1つひとつが、公平なコインのように上にも下にも同じ確率で動くとします。これは確率論の古典的な「ギャンブラーの破産」問題で、このようなランダムウォークでは、ある幅だけ下落する前に別のある幅だけ上昇する確率は、下落幅を2つの幅の合計で割ったものになります。トレーディングの言葉で言えば:

P(ストップより先にターゲット) = ストップ幅 ÷ (ストップ幅 + ターゲット幅)

ストップが$1、ターゲットが$3なら、1 ÷ 4 = 25%です。表の損益分岐勝率とぴったり同じです。他のどの組み合わせを試しても同じことが起きます: 方向性のない価格では、すべての比率がちょうど自分自身の損益分岐点に着地します。1:5のターゲットは16.7%の確率で、1:1のターゲットは50%の確率でヒットし、どれも平均してお金を生むことも失うこともありません。

私たちは、これがリスクリワードについて最も役に立つ1つの事実だと考えています。比率はそれ自体でエッジを生み出すことはできません。実際の価格は公平なコインではなく、エッジが生まれる余地はそこにあります: セットアップに取引する価値があるのは、それがターゲットへの到達をその基準より起こりやすくする場合だけです。比率はハードルを設定します。それを越えなければならないのは、あなたがその取引をする理由の方です。

「1:3未満は絶対に取らない」が経験則にすぎない理由

「最低1:3」のようなルールには、それなりの理由があります。エントリー前にターゲットを決めることを強制し、10セントを得るために1ドルをリスクにすることを防いでくれます。フィルターとしてなら、それで十分です。

法則としては、成り立ちません。4つの仮のセットアップを比べてみましょう:

セットアップ リスクリワード 勝率 損益分岐点 1取引あたりの期待値
A 1:1 60% 50.0% 0.60 × 1 − 0.40 = +0.20R
B 1:2 40% 33.3% 0.40 × 2 − 0.60 = +0.20R
C 1:3 30% 25.0% 0.30 × 3 − 0.70 = +0.20R
D 1:3 22% 25.0% 0.22 × 3 − 0.78 = −0.12R

A、B、Cは1取引あたりの稼ぎが同じです。Aは1:3ルールを満たしませんが、問題ありません。Dはルールを満たしますが、損をします。ルールはこれらを見分けられません。2つの数字のうち1つしか見ていないからです。

もっと目立たないコストもあります。セットアップの自然なターゲットが$2先にあるのに$3にこだわれば、価格が届きそうだと自分のアイデアが示している場所の先まで、ターゲットを動かしたことになります。紙の上では比率が良くなる一方で的中率は下がり、その低下はしばしば表が吸収できる以上の大きさになります。正直なターゲットでは納得できる比率にならないとき、たいていより良い手は、ターゲットを引き伸ばすことではなく、その取引を見送るか、ストップにより近いエントリーを待つことです。

ストップを動かしても比率は変わる

同じトレードオフは逆方向にも働きます。ターゲットは$43のまま、ストップを$39から$39.50に詰めてみましょう。リスクは$0.50に下がり、リワードは$3のままなので、比率は1:3から1:6に跳ね上がります。損益分岐点は25%から1 ÷ 7、つまり14.3%に下がります。

タダでできる改善に見えますが、そうではありません。半分の距離にあるストップは通常のノイズにより頻繁にヒットされ、前のセクションの方向性のない価格では、先に$43に届く確率は0.50 ÷ 3.50 = 14.3%に下がります。またしても損益分岐点です。ストップを詰めることが役に立つのは、新しいストップが依然として取引アイデアが間違いだと証明される場所にある場合だけで、それこそが構造に基づいてストップを置くことの主張のすべてです。

サイズも変わります。1取引あたり固定で$200をリスクにするなら、$1のストップでは200株、$8,000のポジションです。$0.50のストップでは400株、$16,000です。どちらでもドルリスクは同じですが、タイトなストップには2倍の資金が必要なので、より良い比率が自分にも使えると思い込む前に、それが資金に収まるかどうか確認しましょう。

計画した比率と、実際に得られる比率は違う

エントリー前に書き留める比率は計画です。結果に表れる比率は実際に起きたことで、たいていそれより悪くなります。比率を削る要因は4つあります:

  • 早すぎるエグジット。不安になって$41.80で利益確定すると、3Rの勝ちが1.8Rの勝ちになります。
  • ストップの移動。取引の途中でストップを広げると、1Rの負けがそれより大きな負けになります。
  • 約定価格。動きの速い相場では、ストップがその水準を越えたところで約定することがあり、−1Rの計画が−1.1Rになります。
  • コスト。手数料とスプレッドは、すべての勝ちから差し引かれ、すべての負けに上乗せされます。

コストが最も打撃を与えるのはタイトなストップです。例の$40の株で、往復のコストが仮に1株あたり$0.05だとしましょう。$1のストップなら、勝ちは正味$2.95、負けは$1.05のコストになるので、損益分岐点は25%ではなく1.05 ÷ (1.05 + 2.95) = 26.25%になります。$0.50のストップなら、負けは$0.55のコストになり、損益分岐点は14.3%ではなく0.55 ÷ 3.50 = 15.7%になります。同じ5セントでも、小さなリスクに対しては大きな割合を占めるのです。

対策は、計画した比率を信じるのではなく、実現した比率を測ることです。平均利益を平均損失(符号を外したもの)で割ったものが、実際のペイオフレシオです。$200のリスクで1:3を計画していても、平均の勝ちが$420、平均の負けが$210なら、実際には1:2で取引していることになります。損益分岐点は25%ではなく33.3%で、健全に見えた勝率28%は損をしています。

勝率を念頭に置いたターゲットの選び方

まとめると、私たちなら次の順番で進めます:

  1. 最初にストップを、アイデアが間違いだと証明される価格に置きます。
  2. ターゲットは、価格が現実的に届きうる場所に置きます。あらかじめ決めた倍数ではなく、たとえば次のサポートやレジスタンスの水準です。
  3. 比率とその損益分岐点を表から求めます。
  4. その損益分岐点を、このタイプのセットアップで記録してきた勝率と比べ、それを明確に上回る余裕を求めましょう。取引がまだ数十件しかなければ、その勝率はまだ大まかな推測にすぎません。どれくらい大まかなのかはサンプルサイズのセクションで説明しています。
  5. 越えられなければ、見送ります。ターゲットの引き伸ばしはなしです。

取引が条件を満たしたら、ブラケット注文が両方のエグジットを保持してくれるので、計画がその場の意志の力に左右されません。そして、損益分岐点に対する最低限の余裕をトレーディングプランに書き込み、取引ごとではなく一度で決めてしまいましょう。

シミュレーターでこれを練習する

Stockadeのシミュレーターでは、Stop LossとTake Profitの欄に価格を入力し、2つは合わせて保有ポジションに対するOCOブラケットとして機能します: どちらかが発動すると、そのティックの価格でポジション全体が決済され、両方の水準がクリアされます。スプレッドも手数料もないため、そこで計画した比率と実現した比率の差を生むのは、あなた自身のエグジットと、水準を越えたティックです。各取引の前に、比率とその損益分岐点を書き留めましょう。30件の取引の後、分析ページを開き、平均利益をマイナス記号を外した平均損失で割って、計画していた比率と比べ、勝率を必要だった損益分岐点と比べましょう。Stockadeの価格はブラウザ内で生成される、ゆっくりと変化するトレンドバイアスを持つランダムウォークなので、そこでの的中率は、セットアップが実際の市場でどう機能するかについて何も語りません。そこで鍛えられるのは習慣です: ストップ、ターゲット、比率、損益分岐点を、毎回。

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